『青野くんに触りたいから死にたい』
椎名うみ
付き合ってすぐに死んでしまった恋人青野くんが幽霊になって優里の元に帰って来る、死んでる以外は普通のカップルと何も変わらない二人、ある日優里の「幽霊は憑依出来るのか?」という問いかけにより、青野くんの様子がおかしくなっていく
ジャンルに括るのがとても難しくて、純愛モノの皮を被った不条理ナンセンスホラーラブコメディの皮を被った究極の純愛モノという印象
学校で会話してもおかしくないよう電話を持って話したり、手法は幽霊寄りなんだけど本質は生きてる恋人同士と何も変わらぬ二人の微笑ましさと、机の花だったり音楽室に一人ぼっちのコマで不意に突き付けられる現実との落差とか、世界に青野くんしかいない優里が幸せと口にするときの青野くんの後ろめたさだったりが読んでて苦しい
とにかく一つ一つの演出が上手いのと、ラブコメからホラー、ミステリーとグラデーションして行く展開のなか根底に流れる純愛が作品の一貫性と強度を上げている
愛はいろんな感情と地続きになっていて、「好き」という曇りのない気持ちの健気で危うくて愛しくて苦しい様、幸せなんて他人が判断することじゃないと思いながらも絶対に幸せになれない二人の幸せを願わずにはいられない、そんな作品
どら焼きのシーンがめちゃ笑う
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【出演予定】
●MCで出演
新宿コントレックスvol.19
4月20日(金)19:30
@新宿シアター・ミラクル
●出演
日本のラジオ
『ツヤマジケン』
6月5日〜10日
@こまばアゴラ劇場
http://razio.jp/muscat1/2757514
クラウドファンディング実施中
https://motion-gallery.net/projects/nihonnorazio_tsuyama